改正割賦販売法の割賦取引利用可能枠審査でショッピング利用限度枠を決める

割賦取引利用可能枠とは

「割賦取引利用可能枠の審査」とは、収入と他社返済分と照らし合わせて返済能力を審査することで、その審査は経済産業大臣が定める割合によって計算され、それに応じて利用可能枠が設けられることになります。

クレジットカードの入会を申し込んだり、ショッピングローンやスマートフォンの分割契約を申請すれば、信用情報の調査のほかに、利用できる限度枠を設定するための審査をおこないます。

目次

割賦取引利用可能枠の審査における支払可能見込額の調査とは

割賦取引利用可能枠の審査における支払可能見込額とは、クレジットカードやショッピングローン利用者等の年収から生活を維持するために必要な支出や返済金などを除き、利用者が無理なくクレジットカードやショッピングローン利用代金として、1年間に支払うことができると想定される金額のことです。

2010年12月に施行された割賦販売法の改正に伴い、過剰なクレジットの利用による消費者被害(多重債務)防止を目的として、クレジットカード会社やショッピングローン(信販会社)に次の2点について対応が義務付けられています。

  1. 支払可能見込額の調査
  2. 調査に基づくショッピング利用可能枠の設定

住宅ローンであれば、返済比率(返済負担率)の計算審査があります。

クレジットカードのキャッシングの部分は、支払可能見込額調査としてはおこなわれず、貸金業法の総量規制等に基づいて行われます。

対象になる支払い
  • ショッピングリボ払い
  • ショッピング分割払い
  • ボーナス1回払い
  • ショッピング2回払い

ショッピング1回払いは含まれません

支払可能見込額の算定方法は?

支払可能見込額を算定する方法は、【年収-年間支払予定額-法律で定められた生活維持費=支払可能見込額】という計算になります。

年間支払予定額は、1年間に支払い予定のある割賦金額のことで、信用情報機関に登録された情報をもとに算出されます。
信用情報機関には、加盟金融会社が年間の支払(請求)予定額が登録されています。

法律で定められた生活維持費
生活維持費

支払可能見込額の調査を行う時期について

支払可能見込額の調査を行う時期は、クレジットカードの新規申し込みを受け付けた時、クレジットカードの有効期限の更新に近づいた時、あるいはクレジットカードの利用枠の増額申請を受け付けた時に行われます。

  1. クレジットカード新規発行時
  2. クレジットカード有効期限更新時
  3. クレジットカード利用可能枠の増額申請時

同じ発行会社のクレジットカードを複数持っている場合、いずれかのカードが上記の①~③に当てはまった場合、持っている全クレジットカードの利用可能枠が変更となる場合があります。

クレジットカード新規発行時

STEP
クレジットカード入会申込み

クレジットカード会社の公式サイト、電話、郵送などの申込方法があります。

STEP
必要書類の提出

本人を確認できる書類と収入を確認できる書類の提出をします。

STEP
クレジットカード会社による入会審査

申込書記入の内容と信用情報機関(CIC)に登録された情報を基に利用状況等を総合的に判断します。

この時、支払可能見込額調査も行われます。

STEP
クレジットカードの新規発行

審査に通ればクレジットカードが新規発行されます。

利用状況等を総合的に判断し、否決されクレジットカードの新規発行を見送られることもあります。

クレジットカード有効期限更新時

STEP
クレジットカードの更新時期

更新日の6ヶ月前から更新日までの間に、更新のお知らせがクレジットカード会社から利用者に届きます。

STEP
クレジットカード会社による更新審査

クレジットカード会社に登録された内容と信用情報機関(CIC)に登録された情報を基に途上与信を行い、利用状況と支払可能見込額調査によって、更新をさせるかどうかの判断をします。

STEP
更新カードの発行

更新の審査で、利用可能額が変更される場合もあります。

クレジットカード利用可能枠の増額申請時

STEP
クレジットカード利用枠の増額申請
STEP
必要書類の提出

収入が確認できる書類を提出します。場合により本人確認書類の提出を求められることもあります。

STEP
クレジットカード会社による増額審査

増額申請申込書に記入された内容とクレジットカード会社に登録された内容の確認と、信用情報機関(CIC)に登録された情報を基に途上与信を行い、利用状況と支払可能見込額調査によって、増額をさせるかどうかの判断をします。

STEP
増額

増額がされたとしても、新しくカードが発行されることはありません。クレジットカード会社の内部で機械的に操作されます。

支払可能見込額調査によって設定されるショッピング利用可能枠はいくら?

クレジットカードのショッピング利用可能枠やショッピングローン限度額は、支払可能見込額の90%(経済産業大臣が定める割合)以内と決められています。

計算式は、【支払可能見込額×0.9≧利用可能枠】となります。

クレジットカードのショッピング利用可能枠の計算例

クレジットカードを新規で発行予定の、年収400万円世帯人数3名、住宅ローンの契約がある人でショッピング利用可能枠の計算をしてみます。

  1. 税込年収:400万円
  2. 世帯人数:3人
  3. 住宅ローン:有

支払可能見込額

年収400万円-生活維持費209万円=支払可能見込額191万円

191万円が支払可能見込額という計算になります。

仮に、他のショッピングローンの支払い予定が年間30万円あるとすれば、

年収400万円-年間請求予定額30万円-生活維持費209万円=支払可能見込額161万円

161万円が支払可能見込額となります。

クレジットカードのショッピング利用可能枠の上限の計算

前述しましたとおり、クレジットカードのショッピング利用可能枠は、支払可能見込額の90%以内と決められています。

「支払可能見込額×0.9≧利用可能枠」という式に当てはめると、

ショッピング利用可能枠=支払可能見込額191万円×0.9=171.9万円

171.9万円以下の範囲でショッピング利用可能枠は設定されます。

この記事を書いた人

元金貸のアバター 元金貸 貸金業務取扱主任者

キャッシング・消費者金融などの借金問題、資金調達などの専門家。貸金業務取扱主任者資格を持ち、金融業界の裏側まで知る元貸金業者。

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