住宅ローンは借り換えをしなくても金利を下げることができるって本当?

住宅ローンの借り換えをするならどこの銀行がオススメなのか?

住宅ローンの借り換えを考える際に、皆さんの悩むポイントは「結局どこの銀行が一番借り換えするのにお得なのだろう?」という部分です。

そうはいっても借り換えの際の金利は銀行ごとに大きな差はない上、各個人の状況等によっても金利は変わってくるので、一概には言えません。

借り換えの前に把握しておきたいこととして「住宅ローンの金利は引き下げてもらえる場合がある」ということです。

住宅ローンの借り換えをする際には、最も金利を下げる方法を学び、最大限に安い金利を引き出す交渉術を使い満足の行く住宅ローンの借り換えをすることが大切です。

ローンの借り換えとは?

現在借りている金融機関とは別の金融機関から融資を受けて、現在借りている金融機関に残っている債務を完済することです。

借り換えをした後はこの際に融資を受けた金融機関に対して返済をすることになります。

その金融機関からの融資条件次第では、返済の負担を大きく下げることができます。

目次

住宅ローンを借り換えるとどれくらいお得なのか?

住宅ローンの借り換え交渉術を知っているとどれくらいお得なのか?

住宅ローンを借り換えると、どの程度お得になるのでしょうか。

一例として、2000万円が住宅ローンとして残っているとして、20年で返済する場合で考えます。

この場合、金利が0.6/0.7/0.8%の場合における支払総額は次の通りになります(元利均等返済の場合、諸経費は考慮しないものとします)。

金利支払総額0.8%との差額
0.8%21,649,185円
0.7%21,438,371円210,814円
0.6%21,228,850円420,335円

このように、住宅ローンは金利を0.1%下がるだけでも大幅に支払総額を下げることが可能で、返済の負担を抑えることができます。

現在住宅ローンを借りている方は、今一度住宅ローンの条件を見直してみましょう。

住宅ローンの借り換え交渉術の方法とは?

それでは、実際に住宅ローンの金利を引き下げるにはどうすればいいのでしょうか?

住宅ローンの金利を引き下げるための方法は、主に以下の2つが考えられます。

  • 今借りている金融機関と交渉して金利を下げてもらう
  • 別の金融機関で住宅ローンの借り換えをする

住宅ローンの金利を下げるというと、②の「別の金融機関で借り換えをする」が想定されることが多いですが、①の「金利引き下げの交渉する」という方法も有効です。

「金利を下げてくれ」と言うだけだと難しい

もっとも銀行側も金利を下げるのはすなわち収入が低下することを意味するので、ただ「金利を下げてくれ」と言うだけだと、金利を下げてもらうことは難しいです。

しかしこの時の交渉次第では本当に金利を下げてくれる場合もあり、そのために重要なのは「他の金融機関での借り換えを検討している旨を伝える」ということです。

住宅ローンは銀行の中でも一番の稼ぎ頭で、銀行の収益の要となっています。

サラリーマンの契約の多い日本では確実に収益が見込める貸出なので、銀行側は住宅ローンの契約者確保に必死です。

近年日本においては低金利状態が続いていることもあり「金利が下がっているので、見直しをしませんか?」という住宅ローンの借り換えキャンペーンも多く行われています。

これは、銀行間同士で住宅ローン契約者確保のための激しい競争が繰り広げられているのです。

逆に言えば、住宅ローンの担当者も他行への借り換えを阻止するために必死です。

これが「交渉によって金利を下げてもらう」が有効になる主な理由です。

審査のハードル

また、住宅ローンを他社に借り換える際には審査があるので、その点も注意が必要です。

借り換えをするまでに既に支払い実績を積んでいることはプラス要素であるため、審査のハードルが借り換えの際には高くなるというわけではありませんが、審査の質が少し違う点は注意する必要があります。

というのも住宅ローンを新規で借りる場合は担保にする物件の価値が高いため、最悪の場合は担保物件を売って回収することができます。

そのためやや属性面で不安があっても審査に通ることがあります。

いっぽう借り換えの際は担保物件の価値が低下していることが多いため、より返済がしっかりできるかどうか、何らかの安定収入があるかが重視される傾向にあります。

金利を引き下げてもらううえでは基本的にこういった審査が行われることはないので、そのこともメリットになります。

具体的な交渉の方法はいたって簡単で

  1. 他の銀行での借り換えシミュレーションと審査をする。
  2. 審査結果を持って、今借りている銀行へ住宅ローンの借り換えを検討している旨を相談に行く。

こうすると、今借りている銀行は他の銀行へ住宅ローンを借り換えされるのを防ぐために防衛策に出ます。

これが「住宅ローンの金利の引き下げ」という銀行員しか知らない裏ワザです。

金利引き下げの相談をする上で特別に費用が掛かる事はないので、ダメ元だとしてもチャレンジしてみる価値はあります。

住宅ローンの「金利引き下げ」に関する注意点

ローンの支払いに延滞があるなど、問題がある顧客と判断されるような場合は、金融機関側も借り換えを引き留めるメリットがなく、交渉に応じてくれる可能性は低いです。

延滞があるような場合は他金融機関への借り換えも難しくなります。

支払いができていれば交渉する余地はあると思われますが、住宅ローンの支払いが厳しいような場合は、むしろ事情を金融機関側に相談して毎月の返済額を見直してもらう方法もあります。

事前準備をしっかりしておくと良い

銀行員側も経験豊富な方が多いため、借り換えのシミュレーションや準備もしていない段階で「借り換えを検討している」と言っても、話をするうちにボロが出てしまうこともあります。

そのため、まずは実際に後述する「モゲレコ」などで借り換えのシミュレーションをして他社の金利を把握し、事前審査を受けてから交渉をする方が確実です。

ただし銀行員次第では借り換えの話を持ち出した段階で金利を下げてくれる可能性もあるので、そこはあなたの交渉術や銀行員との信頼関係次第でもあります。

他銀行での借り換えシミュレーションを効率的に行う方法

他銀行での借り換えシミュレーションを効率的に行う方法

ここで気になるのは、どこで住宅ローンの審査を申し込めば良いかという点ではないでしょうか。

借り換えのシミュレーションを銀行ごとに1つ1つやるのは大変なので、おすすめは一括シミュレーションを利用することです。

一括審査をするうえで便利なのは「モゲレコ」というモゲチェックが運営するオンラインの住宅ローン提案サービスです。

モゲレコは利用者数が20万人超えており、住宅ローンの見直しを考えている多くの人に利用されています。またTBS「news23」「ひるおび」、NHKなど、TV番組などでも取り扱われています。

モゲレコで利用できる主な機能は下記の通りで、借り換えを検討したい場合にどのぐらい金利を下げられるのか簡単にシミュレーションができ便利です。

モゲレコでできること

モゲレコは利用料が発生しないので、利用料の心配はありません。モゲレコのサービスは掲載している金融機関側の手数料によって運営されており、利用者側が利用料等を支払う必要はありません。

  • 登録情報をもとに自分に合った銀行を最大3つまで提案
  • 毎月の返済額とトータルの返済額をどの程度減らせるか確認できる
  • 住宅ローンを利用する上での各種アドバイスを利用でき、プロのアドバイザーに無料で相談することも可能
  • 横比較表によってそれぞれの住宅ローンを比較する事ができる
  • 住宅ローンを借りるまでの手続きの流れを確認できる

モゲレコでは大手メガバンクからネット銀行、地方銀行まで数多くの金融機関を取り扱っていますので、自分に合った金融機関を見つけやすくなっています。

一括審査が終了したら、あとは他銀行の住宅ローン金利を持って、今借りている銀行に交渉しに行くと良いでしょう。

なお、今借りている銀行が思うように金利を下げてくれないような場合は、モゲレコから他行へ借り換え申し込みをすることも可能です。

住宅ローンを借り換えるのは同じ銀行が一番安くなる理由

また、同じ銀行での借り換えを推奨する理由は「手数料」です。他行への借り換えを行う場合、新しい契約を組みなおすということになるため、そのための経費が発生します。

住宅ローンの借り換えで発生するおもな諸経費
  • 新しい銀行への保証料
  • 新しい銀行が抵当権を設定する費用
  • 元の銀行の抵当権を解除する費用
  • 金銭消費貸借約定書の印紙代 など

その合計額はザックリ計算して50万円程度です。

一方で、同じ銀行での借り換えは正確には「金利引き下げ」「条件変更」といい、今の契約を金利だけ下げるという事務手続きの変更だけを行います。

そのため今の銀行で金利を下げてもらうことができれば、こういった諸経費が発生しないというメリットがあります。

言い換えると、金利が下がった分だけまるまるお得になるということです。

まとめ|住宅ローン借り換えで一番得する交渉術

この住宅ローンの「金利引き下げの裏ワザ」で気をつけるべきことは、当たり前のことではありますが「交渉の際に提示する借り換え先の金利はなるべく安いものを提示する」ということです。

今借りている銀行はなるべく金利を下げないように、でも借り換えをされないようにということで、まずは他の銀行で借り換えるのと同じ金額的メリットがでるような金利を提示してきます。

この際の銀行の言い分は、「金額的に同じメリットが出るからそのままウチで借りてください」です。

そんな銀行員と上手く交渉するためには、先ほど申し上げた他行の住宅ローン金利の中でも、安いものを提示する必要があります。そうすることで、より金利引き下げの幅が広くなる可能性があります。

住宅ローンにおいて金利が一番低いのはネット系の銀行(ネットバンク)であり、2024年2月現在だとネット銀行の住宅ローン金利は0.2%~、メガバンクで0.3%~となっています。

周りの銀行はよく近くの銀行の金利のことは把握しているので、最初は最安値ではないどっちつかずの金利を提示してくることが多いです。

だからこそ、このネット系銀行の審査結果を今住宅ローンを借りている銀行に持っていくことで、最安値の金利を引き出しつつ、費用も抑えることができるという一石二鳥が実現可能です。

金利は0.1%下がるだけでも数十万円単位でお得になります。

住宅コストはそもそもの額が高いため、金利の下がり幅だけで見れば微々たるものでも経済的なインパクトは非常に大きいです。

もし今利用している銀行が思うように金利を下げてくれない場合は、金利の安いネット銀行に借り換えてしまうのも一考です。

この記事を書いた人

元金貸のアバター 元金貸 貸金業務取扱主任者

キャッシング・消費者金融などの借金問題、資金調達などの専門家。貸金業務取扱主任者資格を持ち、金融業界の裏側まで知る元貸金業者。

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